こんにちは、isukoです。
先日NUARL νClipを発売日に入手し、ファーストインプレッションをお届けしました。
装着感や音質が人を選ぶかもしれないという第一印象でしたが、今回は、1週間ほど使用してのレビューをお届けします。
今回は、NUARL νClipをレビューします。
ポチップ
NUARL νClip レビュー
デザイン
充電ケースはマットなのは良いのですが、高級感は感じないというのはファーストインプレッション通りです。
前面にはLEDインジケーターがあるのですが、この点灯の条件がよく分かりません。
充電ケースのフタを開いても点灯するわけではありませんし、イヤホンを収納して充電ケースのフタを閉じているにもかかわらず、点灯していることがあります。
充電ケースのフタの裏側には技適マークの表示があります。
イヤホンはマットです。
イヤホンは光沢感があるものが多いなか、マットなのはうれしいです。
マットな中に、一部ガンメタリックな塗装も施されており、スタイリッシュです。
装着感
イヤーカフイヤホンとしてはしっかりとした装着感です。
接続部分が短めで、かたいので、装着できないという方もいると思います。
しかし、この装着感が合う方にとっては、接続部分が耳に密着し、イヤホン全体で支えられている感覚があり、安心感があります。
頭を軽く振っても、私の場合は動きそうということも感じませんでした。
装着時の見た目
横から見ると、細い見た目で、スタイリッシュに感じます。
上から見ると、接続部分が耳に近いことがわかります。
音質
リファレンス環境については以下の記事をご覧ください。
νClipはダイナミックドライバーとMEMSドライバーの2つのドライバーを採用しています。
また、高音質コーデックのLDACに対応していますが、LDACで接続すると2つのドライバーの音が調和していないように感じました。
AAC接続のほうが調和が取れていると感じたので、AAC接続で、イコライザー調整はせずに音質をチェックしました。
まず、音量が小さめです。
「ボイスモード」と「空間オーディオ」では音量が大きくなりますが、それでもボリュームは大きくする必要がありました。
音質の全体的な印象では、低音が物足りないと感じました。
その影響で、音の深みが物足りないと感じる場面が多かったです。
一方、音の分離感は良く、それぞれの音に集中できます。
次にそれぞれのリファレンス曲での音質を紹介します。
ロック系
低音の響きが物足りなく感じました。
高音に重心がある音質です。
ボーカルは少し遠く、もう少し伸びや芯がほしいと思いました。
音の刺さりは私にとってはギリギリ刺さらないという印象で、刺さるように感じるという方もいると思います。
J-POP系
シンセサイザーや打ち込み系の音は深みが物足りず、バイノーラル的な距離感の変化もあまり感じませんでした。
空間はそれほど広くなく、耳より上の、頭の周りで音が鳴っている印象です。
ボーカルの声や語りの部分も深みが物足りませんでした。
洋楽ポップス系
低音はこもったように感じ、リズムに乗れる感じではありませんでした。
低音とボーカルのバランスは、低音が物足りなく感じてしまいました。
女性ボーカルはやはり声の深みが物足りません。
EDM系
生楽器も低音の深みを感じにくかったです。
サブベースの音は、体に響くようには感じませんでした。
男性ボーカルの声も深みが物足りないと感じました。
クラシック系
音量の変化はしっかりと表現できていました。
ヴァイオリンの質感はウォーム系だと感じましたが、深みは感じられませんでした。
音は止まるべきときに止まり、余韻は美しいと感じました。
音もれ
私が音楽を楽しめる程度の音量で50cmほど離しても、何の曲が流れているかわかる程度には音もれしています。
静かな環境で使う場合は音量を下げるなどの配慮が必要です。
接続性
マルチポイントと高音質コーデックのLDACに対応しています。
しかし、両者は併用できません。
接続の安定性ですが、LDACでは人の少ない環境でも途切れることがありました。
AAC接続でも、人が多い環境では途切れを感じました。
接続の安定性はあまり高くない印象です。
また、Macと接続したところ、音がブレて聞こえたりしました。
スマートフォンや、オーディオトランスミッターをMacに接続してイヤホンと接続したときはそのような問題は感じませんでした。
この現象は他のイヤホンでも起こることがありますが、相性問題がある可能性がある点は注意が必要です。
片耳で左右両方のチャンネルの音を聞けます。
操作性
ボタン操作だけだと思っていましたが、さらに振動センサーが搭載されており、タップしての操作と組み合わせて操作します。
これまで使ってきて、特に誤動作はありませんでした。
しかし、タップのような操作は誤操作しやすいと思うので、ボタン操作だけで多くの操作ができるようにしてほしいです。
タップ操作時はフィードバック音が鳴るので、正しく操作できているかわかりやすいです。
また、ボタン操作もタップ操作も、あらかじめ用意された操作プリセットの中からしか操作をカスタマイズできません。
カスタマイズの自由度は低いです。
マイク音質
実際に収録した音声はYouTube動画をご覧ください。
静かな環境では、少しこもっているような気はしますが、十分にきれいな音質です。
一方、60dB前後のレストランの音を流した環境では、周りの音をほとんどカットできていません。
話し始めると少し周りの音が小さくはなりますが、それでも不十分です。
バッテリー
バッテリー容量の記載はありませんでした。
イヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大24時間使用できるとのことです。
充電ケースはワイヤレス充電に対応しています。
充電台に置くだけで充電できるのは便利です。
アプリ
「NUARL Connect」アプリでイヤホンのカスタマイズができます。
まず、アプリとの接続が不安定です。
スマートフォンで再生している音声が流れているにもかかわらず、アプリが操作できなくなることが頻発しました。
設定したあとはアプリと接続することは少ないとは思いますが、接続は安定させてほしいです。
それではアプリの内容について紹介していきます。
最初の画面では左右のイヤホンのバッテリーの残りパーセントが表示されます。
音質の調整や、低遅延モードの設定ができます。
音質は「ボイスモード」「空間オーディオ」「トーンコントロール」によってカスタマイズします。
しかし、これらは併用できません。
「ボイスモード」は中音域を強調するモードです。
「空間オーディオ」は自然に空間を広げてくれる印象ですが、通常時は前で聞こえた音が左右に分かれて聞こえたりし、位置関係がぼやけてしまいます。
「トーンコントロール」はある特定の音域だけを調整する印象です。
イコライザーをカスタマイズする機能は必要だと思います。
低遅延の「ゲーミングモード」を搭載しています。
LDAC接続時、通常時は250msほどの遅延が、150msほどになりました。
ですが、遅延は大きめです。
タップ操作とボタン操作のカスタマイズができます。
とはいえ、事前に用意された組み合わせを選択するだけで、カスタマイズの自由度は低いです。
マルチポイントとLDACのオン・オフができます。
マルチポイントとLDACは併用できません。
また、νClipは「Auralink」というAI翻訳アプリに対応しているようですが、このアプリの情報がほとんどないため、今回は紹介しません。
防水性能
IPX4の防水性能があります。
とはいえ、最近は防塵性能を備えたイヤーカフイヤホンもあるので、物足りないです。
カラーと価格
カラーはニュートラル・ブラックとナチュラル・ホワイトの2色です。
Amazonでの通常価格は19,800円です。
まとめ
今回は、NUARL νClipをレビューしました。
良い点
- マットなデザインのイヤホン
- 安定した装着感
- スタイリッシュな見た目
- マルチポイント対応
- LDAC対応
- 充電ケースはワイヤレス充電対応
気になる点
- 高級感のない充電ケース
- LEDインジケーター点灯の条件
- 人を選ぶ装着感
- 低音の物足りなさ
- 接続の安定性
- Macとの相性問題
- 操作のカスタマイズ性の低さ
- マイクのノイズキャンセル性能の低さ
- カスタムイコライザーなし
- 大きな遅延
良い点・気になる点をまとめると上のような感じです。
イヤホンのデザインが良く、装着感も私には合っていました。
しかし、接続の安定性も、ソフトウェアとしての安定性も不安を感じました。
個人的には、MEMSドライバーを搭載しているとのことで、音質も期待していたのですが、ドライバー同士のチューニング不足を感じました。
耳をふさがないタイプのイヤホンは低音が物足りなくなりがちですが、それにしても低音の量の少なさは許容できませんでした。
後発でこの完成度は残念だと感じました。
ポチップ
