こんにちは、isukoです。
先日、Anker soundcore Liberty 5をレビューしました。
マルチポイントとLDACが併用できたり、アプリでのカスタマイズ性が高かったりと、非常に多機能です。
しかし、メイン機として使うには音質が物足りないと感じました。
今回レビューするAnker soundcore Liberty 4 Proは、Liberty 5の前の世代にはなりますが、Proが付くハイエンドモデルになっています。
ハイエンドモデルとしての性能があるか、レビューしていきたいと思います。
今回は、Anker soundcore Liberty 4 Proをレビューします。
Anker soundcore Liberty 4 Pro 開封

パッケージ表面には製品の画像が印刷されています。

パッケージ裏面には日本語で製品の特徴が書かれています。
日本仕様のパッケージなのは好感が持てます。

パッケージを開封すると、イヤホンの入った充電ケースと、合計6サイズのイヤーピース、USB-A to Cケーブル、そして書類が入っています。


重さはイヤホン単体で5.5g、充電ケース込みで62.1gです。
Anker soundcore Liberty 4 Pro ペアリング方法
最初のペアリングは、充電ケースを開けるだけで自動的にペアリングモードになります。


2台目以降のデバイスと接続する場合は、イヤホンの両側のタッチセンサーを長押しするか、「soundcore」アプリの「マルチポイント接続」メニューから「新しい機器と接続する」を選択します。
ペアリングモードになったあとは、接続したいデバイスのBluetooth設定画面で「soundcore Liberty 4 Pro」を選ぶことでペアリングできます。
Anker soundcore Liberty 4 Pro レビュー
デザイン

充電ケースは全体的にマットな質感で、以前レビューしたLiberty 5よりは少し大きめです。

ケースの前面にはくぼみがあり、これがタッチセンサーとして機能します。

背面には充電用のUSB-Cポートが配置されています。

フタを開けると、イヤホン本体と小さなディスプレイが現れます。

このディスプレイでは、左右のイヤホンと充電ケースのバッテリー残量を確認できるほか、ノイズキャンセリングモードの調整など、さまざまな設定が可能です。

設定の操作は、先ほど紹介した前面のタッチセンサーで行い、操作内容はアプリでカスタマイズできます。
イヤホンはLiberty 5よりもスペースに余裕を持って配置されており、取り出しやすくなっています。

イヤホン本体は全体的に光沢のあるデザインです。
個人的にはマットな質感のほうが好みです。

イヤホンの形状はLiberty 5と非常に似ており、Liberty 4 ProをLiberty 5の充電ケースに収納することもできました。
その逆はできませんでしたが、間違って収納してしまわないように注意が必要です。

スティック部分の側面には、操作用のタッチセンサーが内蔵されたくぼみがあります。

ノズルは円形です。
装着感
重心が少し外側にあるためか、歩いていると落ちてしまいそうな不安を感じることがありました。
装着感はノイズキャンセル性能にも影響してくるため、ここは気になります。
装着時の見た目

横から見ると、光沢のあるデザインのため、やや主張が強く感じられます。

後ろから見ると、スティック部分が少し耳から離れているのがわかります。
音質
リファレンス環境は以下の記事をご覧ください。


LDAC接続で、外音コントロールは「標準」、イコライザーは「お好み診断」にして試聴しました。
全体的な印象としては、豊かな低音の響きが特徴ですが、その反面、音がこもりやすく、ボーカルや他の楽器の音が埋もれがちになることがあります。
ボーカルの質感はリアルですが、楽曲によってはサ行の刺さりが気になるかもしれません。
響きのある低音が好きな方には合うかもしれませんが、クリアでバランスの取れたサウンドを求める方には、少し物足りなく感じる可能性があります。
ロック
低音は量感がありますが、かなりこもりがちです。
響きは感じられるものの、輪郭はぼやけ気味です。
ボーカルはやや遠くに聴こえます。
伸びやかさはあるものの、低音に押されてしまい、もう少し芯の強さがほしいと感じました。
高音は少し弱いながらも感じられます。
高音には響きがある印象です。
サビのように多くの音が重なる部分では、低音のこもりもあって各楽器の音を聴き分けるのは難しく、ボーカルに集中できる程度だと感じました。
また、ボーカルのサ行やタ行が少し刺さるように感じられるかもしれません。
J-POP
シンセサイザーなどの電子音は、音の明るさが少し物足りない印象です。
バイノーラル的な立体感はあまり感じられませんでした。
空間の広さも、それほど広くは感じません。
ボーカルは低音に押され気味ですが、質感自体は深みがあってリアルです。
曲の最後の語り部分では、声のかすれ具合までリアルに表現できていました。
洋楽ポップス
低音は響きが強すぎるためか、リズムに乗りやすいというよりは、響きを楽しむような鳴り方です。
低音とボーカルのバランスは悪くないと感じました。
女性ボーカルの質感はリアルに表現されています。
EDM
ギターの弦の響きはリアルに感じられますが、もう少し伸びやかさがほしかったです。
サブベースの体全体に響くような感覚は、少し弱めに感じられました。
男性ボーカルは深みがあり、リアルな質感でした。
クラシック
音量の強弱の変化は、あまりダイナミックには感じられませんでした。
ヴァイオリンの音色はウォーム寄りで、深みと響きはありますが、こちらも伸びがもう少しほしいところです。
音が止まるべきところではしっかりと止まり、その後の余韻は美しく感じられました。
接続性
マルチポイントに対応しており、高音質コーデックのLDACとの併用も可能です。
これは非常に便利な点です。
マルチポイントの仕様は、後から音声を再生したデバイスに自動で切り替わる方式です。
例えば、パソコンで動画を見ている最中にスマートフォンでSNSを開くと、SNS上の動画に反応してパソコンの動画が停止してしまいます。
これは好みが分かれる仕様かもしれません。
ここまでの仕様はLiberty 5と同様ですが、Liberty 4 Proは片耳だけでも左右両方のチャンネルの音を聴けました。
操作性

操作は、スティック部分をつまむようにして行います。
操作時にはフィードバック音があり、正しく操作できたかどうかが分かりやすいです。
装着検知センサーも搭載されています。
さらに、タッチセンサー部分を上下にスライドすることで音量調整も可能です。
これはLiberty 5にはなかった便利な機能です。
ノイズキャンセル性能

低音のノイズはかなり抑えられています。
人の声や高音域のノイズも、聞こえはしますが、しっかりと小さくなっているのがわかります。
耳が詰まるような圧迫感はそれほど強くありません。
ただ、ホワイトノイズが少し大きめに感じられました。
また、装着感が少し不安定なため、完全に密着できていないと性能を十分に発揮できない可能性がありそうです。
外音取り込み性能

周りの音は、少しこもったように聞こえます。
自分の声も同様に、ややこもって聞こえる印象でした。
マイク音質
実際に収録した音声はYouTube動画をご覧ください。
静かな環境では、非常にクリアに音声を届けられます。
60dB前後のレストランの音を流した環境でも、周りの騒音をうまくカットしつつ、自分の声をクリアに収録できていました。
バッテリー
バッテリー容量の公式な記載は見当たりませんでした。
再生時間は、ノイズキャンセルオフの状態でイヤホン単体で最大10時間、充電ケース込みで最大40時間です。
ノイズキャンセルをオンにすると、イヤホン単体で最大7.5時間、充電ケース込みで最大30時間となります。
また、5分間の充電で最大4時間再生できる急速充電にも対応しています。

充電ケースはワイヤレス充電に対応しています。
充電台に置くだけで充電できるので便利です。
アプリ

「soundcore」アプリでイヤホンのカスタマイズができます。
アプリのUIはLiberty 5のものとは異なっています。
ホーム画面では、左右のイヤホンと充電ケースのバッテリー残量がパーセントで表示されます。
「外音コントロール」タブでは、ノイズキャンセリングと外音取り込みのレベルを細かく調整できます。


真ん中が外音コントロールオフで、1から5は数字が小さいほど強力な外音取り込み、6から10は数字が大きいほど強力なノイズキャンセルとなります。
風切り音の低減もできます。
「サウンド」タブでは、簡易的な聴力測定やイコライザーの調整ができます。

「HearIDサウンドテスト」は、自分の聴力を簡易的に測定する機能です。
この測定はログインが必要ですが、ログインしていると結果は全体で共有されるようです。
測定結果は音質の調整に使われるわけではありません。
「3Dオーディオ」で立体的な音響を楽しんだりもできます。

「ヘッドトラッキング」にして頭を動かすと、音が流れる位置が変わっておもしろいですが、頭の位置が反映されるまでには少し時間がかかります。


イコライザーは22種類のプリセットや「お好み診断」、カスタムイコライザーなど、非常に多機能です。

「お好み診断」とは、2つの音声を聴き、好みの方をタップしていくことでイコライザーを調整してくれる機能です。

カスタムイコライザーは8個の音域を-6から+6で調整できます。
無段階で調整できているように見えますが、実際に細かく調整できているかは分かりません。

「コントロール」タブでは、1回タップから3回タップ、長押し、上下スライドといった各操作に機能を自由に割り当てられます。
上下のスライドにも操作を割り当てられるので、非常に自由度が高いです。

また、操作を割り当てない「カスタマイズなし」も設定できるので、誤操作を減らせます。

さらに、「モード設定」では外音コントロールがオフの「標準」を飛ばせるように設定できるので、ノイズキャンセルモードと外音取り込みモードをループでき、便利に感じる方も多いと思います。
右上の歯車アイコンからは詳細設定画面にアクセスできます。

ここでは、自分が話し始めると自動で外音取り込みモードになり、流れる音声の音量が小さくなる「EASY CHAT」機能のオン・オフが可能です。

再生されている音声の音量を確認したり、最大音量を制限したりすることもできます。
聴力保護の観点から良い機能だと思います。

操作音を鳴らすかどうかの選択もできます。

LDACのオン・オフの設定もできます。

マルチポイント接続のオン・オフや、現在接続されているデバイスの確認・変更も可能です。

装着テストも行えます。

充電ケースの設定として、充電ケースからイヤホンを鳴らしたり、リモートシャッター機能を使えたりといった機能を追加したりできます。
ただ、LDACやマルチポイント接続のオン・オフといった重要な設定がこの詳細設定の中にあるのは、少し分かりにくいと感じました。
防塵・防水性能
IP55の防塵・防水性能に対応しています。
外でも安心して使えると思います。
カラーと価格
カラーバリエーションは、ミッドナイトブラック、スカイブルー、ディープグリーン、パールホワイトの4色です。
Amazonでの通常価格は19,990円です。
まとめ
今回は、Anker soundcore Liberty 4 Proをレビューしました。
良い点
- 設定変更も可能なディスプレイ付き充電ケース
- LDACとマルチポイントの併用可能
- 片耳で両側のチャンネルの再生が可能
- 操作のフィードバック音あり
- スライド操作による音量調整可能
- 装着検知機能あり
- 非常にクリアなマイク音質
- 充電ケースはワイヤレス充電対応
- 非常に多機能なアプリ
気になる点
- 光沢感のあるイヤホンのデザイン
- 外れそうで不安になる装着感
- 割り込み式のマルチポイント仕様
- ノイズキャンセルモードでの大きめのホワイトノイズ
- こもった感じの外音取り込み性能
- アプリのUI
良い点・気になる点をまとめると上のような感じです。
装着感が少し不安定で、ノイズキャンセルや外音取り込み性能があまり高くない点は気になりました。
一方、充電ケースにディスプレイが搭載されていてガジェット感があるデザインだったり、LDACとマルチポイントの併用、充電ケースがワイヤレス充電に対応しているなど、機能性が非常に高いイヤホンです。
音質も音に深みがあり、リアルに感じられる箇所もあり、Liberty 5より優れていると感じました。
ディスプレイでの操作や豊富なカスタマイズ機能といった多機能性を重視する方にとっては、非常に魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。

