こんにちは、isukoです。
ここ数年で、ワイヤレスイヤホンは大きく進化してきました。
ただケーブルがないというだけでなく、より良い音で音楽を楽しめるように高音質なコーデックに対応したり、周囲の騒音を低減して音楽に集中しやすくするノイズキャンセリング機能が搭載されたりと、非常に多機能なモデルが続々と登場しています。
外出先で音楽を聴くだけでなく、自宅でのリラックスタイムや、オンライン会議など、様々な場面でワイヤレスイヤホンが活躍しているのではないでしょうか。
そんな中、コストパフォーマンスに優れたオーディオ製品を多く販売しているSOUNDPEATSから、「SOUNDPEATS H3」が発売されました。
このSOUNDPEATS H3は、低音域を得意とするダイナミックドライバー(DD)を1基、中高音域の繊細な表現を得意とするバランスド・アーマチュアドライバー(BA)を2基搭載するという、ハイブリッド構成を採用しています。
さらに、高音質コーデックのLDACに加え、aptX Losslessにも対応している点が大きな特徴です。
今回は、SOUNDPEATS H3をレビューします。

SOUNDPEATS H3 開封

パッケージ表面には、イヤホンの画像が大きく印刷されています。

パッケージ裏面には、イヤホンの説明や技適マークなどの表示があります。

パッケージを開封すると、イヤーチップとUSB-A to Cケーブル、書類、ステッカーが入っています。

イヤーチップは、イヤホンにもともと取り付けてあるMサイズと合わせて5種類が付属しています。
自分に合ったイヤーチップのサイズを選ぶことで、装着感がかなり良くなるので、イヤーチップのサイズバリエーションが多いのは良いと思います。


重さはイヤホン単体で6.2g、充電ケース込みで53.9gです。
SOUNDPEATS H3 ペアリング方法
最初はイヤホンの絶縁テープを剥がして充電ケースにしまい、充電ケースのフタを開くとペアリングモードになります。

2台目以降は、充電ケース背面のボタンを長押しすることでペアリングモードになります。
ペアリングモードになったあとは、接続したいデバイスのBluetooth設定から「SOUNDPEATS H3」を選択することでペアリングできます。
SOUNDPEATS H3 レビュー

充電ケースは、光沢のある部分とマットな部分が組み合わさったデザインです。
フタの部分は中身が見えるようになっていますが、光沢感が強いのが少し気になりました。
ゴールドの差し色は高級感を演出しています。
前面にはLEDインジケーターがあります。

背面にはSOUNDPEATSのロゴと、ペアリングなどをするためのボタンがあります。

底面には充電用のUSB-Cポートがあります。

充電ケースを開くと、SOUNDPEATSのスローガンである「Hear The Difference」と書かれたメタル風のプレートがあり、その周りはレザー調の加工が施されており、高級感を感じます。

イヤホンを取り出してみると、 外側にはゴールドでSOUNDPEATSのロゴがあります。
広い部分にタッチセンサーがあるようです。

イヤホンの中身が透けて見えるデザインは、ガジェット感があって良いと感じました。
全体的には、比較的高価格帯の有線イヤホンでよく見られるような形状をしています。
この形状はSOUNDPEATSのイヤホンとしては珍しいです。
装着感
安定していながら、違和感は少なく感じます。
しっかりと耳に密着している感じがするので、安心感があります。
これなら長時間つけていられそうです。
装着時の見た目

外側がゴールドなので、主張するように感じます。

上から見ると、耳からかなり飛び出している印象です。
音質

SOUNDPEATS H3は、音を出す部分であるドライバーに1基のダイナミックドライバー(DD)と、2基のバランスド・アーマチュアドライバー(BA)が搭載されています。
ダイナミックドライバーは、低音と中低音の再生を担当しています。
バランスド・アーマチュアドライバーは、それぞれ高音と中高音の再生を担当しています。


まず、高音質コーデックのLDACで接続し、ノイズキャンセリング機能はオフ、イコライザーは「SOUNDPEATSクラシック」で音質をチェックしました。
低音はかなり力強いです。
さらに深い低音も十分に感じられました。
低音は強いですが、全体的にクリアな音で、他の音域を邪魔していないように感じます。
ボーカルは少しだけ遠くに聴こえますが、伸びや芯があるように感じました。
高音には十分に存在感があります。 音の空間の広がりも自然に感じられました。
注目した楽器の音やボーカルを聴くことができるように感じます。
3つのドライバーを使っていますが、どれかのドライバーが主張しすぎているということもなく、音のバランスは良く感じました。
次に、もう一つの高音質コーデックであるaptX Losslessで接続して聴いてみましたが、LDACで接続したときと同じような印象でした。
最後に、AACで接続して聴いてみました。
AAC接続でも十分に高音質だと感じましたが、LDACやaptX Losslessで接続したときと比較すると、少しこもったように感じました。
接続性
SOUNDPEATS H3は、高音質コーデックのLDACとaptX Losslessに対応しています。


実際、LDACとaptX Adaptiveに対応したオーディオトランスミッターと接続してみると、LDACで接続したときには青白いランプが点灯し、aptX Losslessで接続したときは緑色のランプが点灯しました。
また、マルチポイント(2台同時接続)にも対応しています。
ただし、マルチポイントをオフにしているときはLDACが有効になり、マルチポイントをオンにしているときはaptX Losslessが有効になるという仕様のようです。
片方のイヤホンを充電ケースにしまうと、もう片方のイヤホンで両側の音が流れるようになるので、片耳だけで音楽を楽しみたいときにも便利です。
操作性

イヤホンの操作は、外側のロゴ部分にあるタッチセンサーで行います。
しかし、タッチセンサーの位置がどこまでなのか少し分かりにくく、操作ミスが多く感じました。
操作の受け付け自体は早いです。
イヤホンを耳から外すと自動で音楽が止まる、といった装着検知センサーはついていません。
ノイズキャンセル性能
SOUNDPEATS H3は、最大で55dBの騒音を低減するという、AI適応型(アダプティブ)アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載しています。
実際に使ってみると、ノイズキャンセルの強さはかなり強く感じました。
低い音のノイズは、ほぼカットされているように感じます。
人の声などの高い音のノイズは聞こえますが、かなり小さくなりました。
ノイズキャンセル性能が高いと耳の詰まり感が強かったりしますが、個人的にはそれほど強くないと感じ、使いやすいノイズキャンセル機能だと思いました。
外音取り込み性能
少し聞こえが弱いように感じました。
また、自分の声はこもって聞こえる印象です。
マイク音質
実際に収録した音声はYouTube動画をご覧ください。
静かな環境では、ある程度クリアに声が聞こえると感じました。
60dB前後のレストランの音を流した環境では、周りの音も拾ってしまっているように感じました。
バッテリー
イヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大37時間使用できます。
ただし、LDACなどの高音質コーデックで接続したり、ノイズキャンセル機能などを使用すると、再生時間は短くなります。
10分の充電で2時間再生できる急速充電にも対応しています。
充電ケースは、置くだけで充電できるワイヤレス充電には対応していません。
アプリ
「PeatsAudio」アプリでイヤホンの設定を行えます。

最初の画面では、左右のイヤホンと充電ケースのバッテリー残量がざっくりとわかります。
次に外音コントロールのモードを変更できます。

ノイズキャンセリング機能では、「適応型ノイズキャンセリング」「室内ノイズキャンセリング」「屋外ノイズキャンセリング」「屋外交通」の4つのモードがありますが、基本的には「適応型ノイズキャンセリング」で良いと思います。

外音取り込み機能では、「人の声の強調」と「標準的な外音取り込みモード」を選択できますが、大きな違いは感じませんでした。

「タッチコントロールを無効にする」をオンにすると、イヤホンのタッチ操作が効かなくなります。
誤操作を防ぎたいときに便利かもしれません。

低遅延のゲームモードも搭載されています。
通常時は50msほどの遅延を感じましたが、ゲームモードをオンにすることで、ほとんど遅延を感じなくなりました。

マルチポイントのオンとオフもアプリで変更できます。
オンにするとaptX Losslessで、オフにするとLDACで接続できるようになります。

「コントロールをカスタム」では、イヤホンのタッチ操作をカスタマイズできます。
1回タップから3回タップ、そして長押しの操作をそれぞれ変更できます。

「なし」も選択できるので、誤操作を防げます。
カスタマイズ性は高いと思います。


画面右上の三本線をタップすると、音声ガイダンスの言語や音量を変更したり、イヤホンが正しく装着できているかを確認する装着テストができます。
音声ガイダンスの音量が大きいと感じる人もいると思うので、音量を変更できるのは便利です。
また、装着テストはイヤーチップを変更する際の手掛かりになるので良いと思います。

イコライザーも変更できます。
アダプティブイコライザーと12個のプリセット、そしてカスタムイコライザーを使えます。

アダプティブイコライザーは、聴力テストを行い、自分に合った音質に調整してくれる機能ですが、私の場合、すべての音が聞こえてしまったため、調整の意味があまりありませんでした。

カスタムイコライザーは、10個の音域を-6から+6までの13段階で調整できます。

ただ、イコライザーの音量を一度変更してから元に戻そうとしても、完全に元の位置に戻らないのが少し気になりました。
防水性能
IPX5の防水性能があります。
少し水にぬれる程度であれば問題ありません。
カラーと価格
カラーは今回レビューしたブラックのみです。
Amazonでの通常価格は15,880円です。
この音質とノイズキャンセル機能などの機能性を考えると、この価格は非常に安いと思います。
まとめ
今回は、SOUNDPEATS H3をレビューしました。
良い点
- イヤーチップが5種類付属している
- デザインが良い
- 装着感が良い
- LDACとaptX Losslessの2つの高音質コーデックに対応している
- マルチポイントに対応している
- 非常に音質が良い
- ノイズキャンセル性能が高い
- アプリのカスタマイズ性が高い
- IPX5の防水性能がある
- コストパフォーマンスが高い
気になる点
- 充電ケースのフタの光沢感が強い
- イヤホン装着時にデザインが主張する
- タッチセンサーの位置が分かりにくいことがある
- 装着検知センサーがない
- 外音取り込み性能が少し低い
- 騒がしい場所でのマイク音質が良くない
- 充電ケースがワイヤレス充電に対応していない
- アダプティブイコライザーの聴力テストの音がすべて聞こえてしまう
良い点・気になる点をまとめると上のような感じです。
デザインに高級感がありますが、主張は強いと感じました。
また、タッチセンサーの位置が少し分かりにくく、操作に慣れが必要かもしれません。
外音取り込み性能や、騒がしい場所でのマイク音質も、もう少し頑張ってほしいところです。
一方、音質は非常に良いです。
LDACとaptX Losslessという2つの高音質コーデックに対応し、力強くもクリアなサウンドを楽しめます。
ノイズキャンセル性能もかなり強力で、騒がしい場所でも音楽に集中できるのではないでしょうか。
アプリでのカスタマイズ性が高く、自分好みの操作方法に変更できるのも良い点です。
これだけの機能を持ちながら、価格が1万円台半ばというのは、非常にコストパフォーマンスが高いです。
高音質で多機能なワイヤレスイヤホンを探している方は、SOUNDPEATS H3を検討してみてはいかがでしょうか。
