こんにちは、isukoです。
高音質コーデックのLDACと、複数のデバイスに同時接続できるマルチポイント接続に対応したワイヤレスイヤホンは増えてきました。
しかし、LDACとマルチポイントが同時に有効にできるものは少なく、どちらかしか有効にできませんでした。
同じく、EarFunのワイヤレスイヤホンもこれまではLDACとマルチポイントを同時に有効にできませんでした。
ですが、今日発売されたEarFun Air Pro 4+はLDACとマルチポイントを同時に有効にできるようになりました。
さらに装着検知センサーや充電ケースのワイヤレス充電に対応しており、非常に機能性が優れています。
今回は、EarFun Air Pro 4+をレビューします。
EarFun Air Pro 4+ 開封

パッケージ表面には製品の画像が印刷されています。

パッケージ裏面には製品の特徴が書かれています。


パッケージを開封すると、中にはイヤホンの入った充電ケースとイヤホンに取り付けられているものを合わせて5種類のサイズのイヤーピース、USB-A to Cケーブル、書類、そしてイヤホンの掃除のための綿棒のようなものが入っています。


重さはイヤホン単体で5.0g、充電ケース込みで53.3gです。
EarFun Air Pro 4+ ペアリング方法
最初はイヤホンの絶縁テープをはがし、充電ケースを開くとペアリングモードになります。

2台目以降は充電ケース底面のボタンを長押しすることでペアリングモードになります。
ペアリングモードになったあとは接続したいデバイスのBluetooth設定から「EarFun Air Pro 4+」を選択することでペアリングできます。
EarFun Air Pro 4+ レビュー
デザイン

充電ケースは全体的にマットな質感です。

前面にはEarFunのロゴとLEDインジケーターがあります。

底面にはUSB-Cポートとペアリングなどを行うためのボタンがあります。

充電ケースのフタの裏側には技適マークなどの表示があります。

イヤホンは充電ケースに収納していても軸の部分が見えているので、取り出しやすいです。

イヤホンは外側のみマットで、他は光沢感があります。
個人的には全体的にマットなほうが好みです。
外側にはタッチセンサーとEarFunのロゴがあります。
装着感
軸の部分が耳から離れている印象です。
軽く頭を振ってもずれてはきませんでしたが、安定感に不安があります。
装着時の見た目

横から見るとマットな部分がメインなので、主張は少ないです。

耳の後ろ側から見るとよくわかりますが、軸の部分が耳から結構離れています。
音質
リファレンス環境は以下の記事をご覧ください。

音質はLDAC接続、外音取り込みモードは「ノーマルモード」、イコライザーは「適応イコライザ」で検証しました。

「適応イコライザ」は聴覚特性に応じて調整してくれるイコライザーです。
この機能で調整した音がメーカーの求めている音なのではないかと思い、このイコライザーを使用しています。

EarFun Air Pro 4+は、EarFun初のハイブリッド・デュアルドライバーを搭載しています。
自社開発の世界最小クラスのバランスド・アーマチュアドライバー(BAドライバー)と10mmのダイナミックドライバーの組み合わせです。

2つのドライバーから音が鳴るので音のバランスが悪くなることがありますが、独自配置でそれを解消しているとのことです。
まず音質のまとめですが、全体的に、低音はクリアでキレがあり、中高音はBAドライバーらしい繊細な表現が特徴です。
ただ、ボーカルや楽器の深みが少し物足りなく感じられる場面もありました。
解像度は高いですが、音の厚みよりもクリアさを重視する方に向いているかもしれません。
それぞれの曲での印象を紹介します。
ロック系の曲では、低音はクリアで、ドラムのキック感も感じられます。
ボーカルは少し遠めに感じますが、芯はあります。
もう少し伸びがほしいと感じました。
高音もキレがある音ですが、刺さる感じはありません。
音の分離感が良く、さまざまな音が混じるサビでもそれぞれの音に集中できます。
ボーカルのサ行やタ行の声は刺さる感じではありません。
J-POP系の曲では、シンセサイザーや打ち込み系の音が少し刺さるような音に感じました。
バイノーラル的な距離感の変化は感じられます。
目の前で音が聴こえる感じで、空間の広さはあまり感じません。
ボーカルの息継ぎの感じや声のかすれはリアルに感じられました。
洋楽ポップス系の曲では、低音がクリアなので、よりリズムに乗れるような低音になっています。
低音とボーカルのバランスは良いです。
女性ボーカルは、声の伸びが物足りないぶんか、少し違和感を感じました。
EDM系の曲では、生楽器の質感は、少し音の深みがないように感じました。
サブベースは体に響くように聴こえます。
男性ボーカルは、発音までしっかり聴こえる気がしましたが、少し声の深みが物足りなく感じました。
クラシック系の曲では、音量の変化にかなり敏感に対応できていると感じました。
ヴァイオリンの質感は少し深みが物足りなく、クールとウォームの中間といった印象です。
音は止まるべきときに止まり、余韻は美しく感じました。
接続性

マルチポイントに対応しています。
ただし私の環境では、M4 Mac miniとPixel 8aに同時接続していると、Macの接続が優先され、Macで音声を再生していないにもかかわらず、Pixel 8aの音声が再生されないことがかなりありました。
ここはデバイスやアプリとの相性問題があるかもしれません。

高音質コーデックのLDACとaptX Losslessにも対応しています。
さらにAir Pro 4+になって進化したのは、LDACでもマルチポイントと併用できる点です。
今までのEarFunのものもですし、他のメーカーのワイヤレスイヤホンでも多くはLDACとマルチポイントは併用できません。
接続の安定性を考えるとあまり併用しないほうが良いようですが、併用できるようになったのはうれしいです。
また、片耳で左右両方のチャンネルの音を聴けます。
操作性

イヤホンの外側の丸い部分にあるタッチセンサーでの操作です。
フィードバック音がないため、正しく操作できているか不安になります。
メーカーの方によるとフィードバック音はあるとのことなのですが、私のものは設定してもフィードバック音が鳴りませんでした。

しかし、Air Pro 4+には装着検知センサーがついています。
イヤホンを外すと一時停止し、付け直すと再生されるので、便利に使える方も多いのではないかと思います。
ただし、私の場合は標準のイヤーピースでは合わなかったのか、誤動作して勝手に再生が止まってしまうことが何度かありました。
そのため、私は1つ小さいサイズのイヤーピースに交換しました。
ノイズキャンセル性能

AI聴覚適応型ANCモードを使用しました。
これは聴覚に対して最適なノイズキャンセル効果を提供してくれる機能とのことです。
低音のノイズはかなりカットできています。
人の声は聞こえますが、内容はあまり聞き取れません。
ただし、高音はそこまでカットできていない印象です。
しかし耳の詰まり感は少なく、使いやすいと感じました。
外音取り込み性能

2種類のモードがありますが、私はデフォルトのほうが聞き取りやすいと思いました。
周りの音は少し小さいですが、聞き取れます。
自分の声は少しこもっているように感じました。
マイク音質
実際に収録した音声はYouTube動画をご覧ください。
静かな環境ではクリアに声を届けられます。
60dB前後のレストランの音を流した環境では、周りの音をカットしきれていませんが、声自体はそこそこクリアに聞こえます。
バッテリー
バッテリー容量は、イヤホンは54mAh、充電ケースは600mAhです。
イヤホン単体で最大12時間、充電ケース併用で最大54時間使用できます。
また、10分間の充電で最大3時間使用できる急速充電に対応しています。

さらに、充電ケースはワイヤレス充電に対応しています。
ワイヤレス充電台に置くだけで充電できるので便利です。
アプリ
「EarFun」アプリでイヤホンのカスタマイズができます。

イヤホンと充電ケースのバッテリーの残りパーセントを確認できます。
外音コントロールのモードを変更できます。


外音取り込みモードは2種類、ノイキャンモードは4種類で、「手動調整」も4段階で調整できます。

低遅延のゲームモードも搭載しています。
LDAC接続で通常時は100msほどの遅延が50msほどになりました。

イコライザーは30個のプリセットとカスタムイコライザー、「適応イコライザ」があります。

カスタムイコライザーは10個の音域を21段階で調整できます。
「適応イコライザ」はそれぞれの聴覚特性に応じてイコライザーを自動調整してくれる機能です。

ちょうど音が聞こえなくなるところを探す形式で、何度も音を聞けるので、正確性が高いと思います。

ただし、「適応イコライザ」の最初の画面の「My style」で、右側の×を押してしまうと、確認なしに設定したイコライザーが削除されてしまう点は修正してほしいです。

装着検出機能のカスタマイズができます。
タッチ操作のカスタマイズもできます。

1回タップから3回タップと長押しの操作をカスタマイズでき、操作を割り当てない「無効」も設定できるので、誤操作を減らせます。

デュアルデバイス接続(マルチポイント接続)のカスタマイズができます。
オン・オフの変更もできます。
ペアリングしているデバイスを確認し、接続先を変更できますし、現在どちらのデバイスの音声が流れるようになっているかを確認・変更できます。


LDACやaptX Losslessの切り替えができます。
どちらもデュアルデバイス接続と併用可能です。
ただし、LDACとaptX Losslessは併用できません。

音声ガイダンスの音量と言語をカスタマイズできます。
音声ガイダンスは大きいと感じる方もいると思うので、変更できるのは良いと思います。

イヤホンの最大音量や左右の音量バランスも変更できます。

LEオーディオにも対応しています。
防塵・防水性能
IP55の防塵・防水性能があります。
防水性能に加えて防塵性能もあるので、外でも安心して使えるのではないでしょうか。
カラーと価格

カラーはブラックとホワイトの2色です。
Amazonでの通常価格は13,990円です。
まとめ
今回は、EarFun Air Pro 4+をレビューしました。
良い点
- マットな充電ケース
- イヤホンの取り出しやすさ
- ハイブリッド・デュアルドライバーによるクリアな音質
- LDACとマルチポイントが併用可能
- 耳の詰まり感が少ないノイズキャンセル性能
- 最大54時間の長時間バッテリー
- 充電ケースはワイヤレス充電対応
- アプリのカスタマイズ性の高さ
- IP55の防塵・防水性能
気になる点
- 光沢感のあるイヤホン本体
- 安定感に不安のある装着感
- 深みの物足りない音質
- マルチポイント接続の相性問題
- タッチ操作時のフィードバック音なし
- 装着検知センサーの感度
良い点と気になる点をまとめると上のような感じです。
イヤホンが耳から飛び出しているため、装着感に不安がありました。
またマルチポイント接続の挙動が、私の環境では相性問題が発生しているのか不安定で、使いにくく感じました。
一方、LDACとマルチポイントの併用や装着検知センサー搭載、充電ケースのワイヤレス充電対応など、機能性に優れた完全ワイヤレスイヤホンです。
特にアプリのカスタマイズ性が高く、自分好みの設定に細かく調整できる点は大きな魅力ではないでしょうか。
多機能でカスタマイズ性の高いイヤホンを求めている方には、良い選択肢です。

